はじめに
マラソン大会に参加している医師によると、毎回一回はAED=体外式除細動器の出番があるという。
走ることのリスクを象徴する話だ。
体力のある人が歩いているだけでは物足りなくなって走るのなら良い。
しかし歩いてもいない人がいきなり走るのはやめた方がいい。
走ると歩く
『歩く』のと『走る』との違い
走る時は両足が地面から離れて宙に浮く瞬間が必ずある。
そして着地の瞬間には、着地した足に体重の3倍の負荷がかかる。
ジョギングで膝を痛めやすいのは、このためだ。
一方、歩いている間はどちらかの足が必ず地面についている。
違いは宙に浮く瞬間が、あるかないか。
長野県の一部地域の方言で、走ることを『飛ぶ』という。
走ることを的確に表現した方言だ。
走ることの危険性
走ると簡単に心拍数が140を超えるが、この心拍数より先に不正脈拍や狭心症の可能性が出てくる。
何より怖いのは突然死だ。
ランニングはそれくらい危険だということ。
年齢や持病の有無にもよるが、160から年齢を引いた数を心拍数の目安として歩くべきだ。
シニアは走るべきではない。
普段から歩く習慣がない人はホームドクターの診察を受け、歩いて大丈夫か確認してから歩こう。
まして走るなら。
歩く習慣を身につけてから、慎重に。
健康に対する過信は危険だと知ろう。
いきなり走らない
健康のために行う目的であれば中強度の運動が良いとされている。
ウォーキングの場合の中強度の目安としては『笑って隣の人と話せるくらいのスピードで歩くのが良い』とされている。
それが『程よく負荷がかかり、心拍数を程よくあげ、適度にエネルギー消費して健康に歩くには良い速さ』だということ。
この目安で歩くには一緒に歩く仲間が必要なことは、語るまでもなかろう。
スクエアステップエクササイズ(SSE)
もし歩くことが物足りなくなってきたら、外でするならポールウォーキング、室内ならSSE(スクエアステップエクササイズ)が良い。
SSEは床に描かれたマス目を使い、指示されたステップを踏む運動。
『歩く脳トレ』の別名もある。
認知機能向上や転倒予防、健康維持やリハビリに効果的だ。
幸せホルモン
歩くとセロトニンという幸せホルモンが分泌される。
普段から歩いている人は幸せそうな感じが人柄に滲み出てくるのだ。
おおらかで自然体な雰囲気が伝わってくる。
1日1時間以上歩く人でイライラした人に出会ったことがない。
笑顔で歩いている。
筆者も忙しくしていると険しい顔をしているようだ。
妻に指摘されてハッとすることも多い。
笑顔で歩いている人を見習いたいと思っている。
セロトニン
ウォーキング中に脳内を測定することはできない。
なので歩いている時にセロトニンが分泌されているのをモニター(観察)することはできない。
しかし歩くとセロトニンが出て幸せな気持ちになることは事実だ。
歩く効用を知らずに人生を送るのが勿体ないと思う。
歩いて実感してほしい。
いや、歩いて実感するしか知る方法がないのだ。
まとめ
人生100年時代と言われて久しい。
定年を迎えてからでもその後の人生は長い。
定年を迎えて暇を持て余す人が多いのも事実だ。
定年を迎えて暇を持て余すなら、歩いてみてはいかがだろう。
普段、歩かない人がいきなり走るのは危険。
やめた方が良い。
その点、ウォーキングは程よい負荷なので万人にお勧めできる。
理想の自分を胸に抱きつつ、まずはしっかり歩くことに専念しよう。
しっかり歩けるようになってからハイキングやトレッキング、ジョギングやランニングへ移行すれば良い。
終わりに
日本人は、
「インプットは上手だが、アウトプットが苦手」
と良く言われる。
情報は知っているだけで使わなければ価値はゼロ。
自分自身に使ってこそ価値が出てくるもので、自分自身に使って確認したからこそ人にも勧められるのではないかと思う。
この記事を読んで、健康習慣ウォーキングを実践される方が増えることを願っている。
【参考文献】
・長尾和宏著『病気の9割は歩くだけで治る!』山と渓谷社
・大島清『脳が若返る遊歩学』新講社










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