自分が働いていた有料老人ホームでは、定期的にファイブコグ検査を実施していました。
このファイブコグ検査を受けることで脳の状態を把握して必要な打ち手を施すことができます。
「脳の状態を知るなんて恐ろしい」
などと怖がらず、頭の人間ドックと考えて定期的に検査を受けるべきです。
ファイブコグ検査を受けて気になる点があれば、病院に行って医師の診察を受ければいいのです。
『人間ドックで気になる項目を、医師の診察の上で再検査する』ようなイメージです。
人間ドックであれば誰でも普通にそうしていると思います。
結論:定期的にファイブコグ検査を受けることで自分の脳の状態を知り、打ち手としてのウォーキングのモチベーションを維持できる
ファイブコグ検査とは?
ファイブコグ検査は『正常な脳の状態と認知症との間の状態である、軽度認知障害(MCI)の程度を測定する検査』です。
このMCI、最近のテレビコマーシャルで認識度が格段にアップしましたね。
ファイブコグ検査はMCIの程度をスケールするため、ご自身が認知症かどうかを診断することはできません。
しかし自分の認知レベルを自分で確認できる点は、この検査の優れた特徴でもあります。
ファイブコグ検査は、高齢者向けの集団認知機能検査であり、東京都健康長寿医療センター研究所と筑波大学によって開発されました 。
それゆえに『集団で行う認知機能検査としての信頼性は非常に高い』と判断できます。
認知機能の測定方法について
ファイブコグ検査は『運動機能(15秒間で数字を◯印で囲む課題)』と、以下の5つの認知機能を測定します。
- 思考課題
例えばルビーとダイヤという単語から、宝石という上位の概念を抽出する課題です。検査は16問からなっています。軽度認知障害(MCI)の段階で低下しやすい機能です。 - 記憶課題
カテゴリーと一緒に32個の単語を覚え、カテゴリーをヒントにして単語を書き出す課題です。軽度認知障害の段階でエピソード記憶の機能が低下することを評価します。 - 注意分割課題
上中下の文字と文字が書かれた位置が一致するものに◯印を付け、同時に順番に数字を振っていく並行作業の課題です。注意の切り替えが必要な課題で、軽度認知障害(MCI)の段階で低下しやすい機能です。 - 視空間認知課題
時計の文字盤を描き、それに時刻を表すように針を書き込む課題です。視覚的構成機能の低下を評価します。 - 言語課題
2分間でできるだけ多くの単語を書き出す課題で、適切な言葉を引き出す機能を評価します。
ファイブコグ検査は1度に99名まで検査することが可能です。またDVDの映像を見ながら楽しく受けることができます。
認知症の予防と早期発見のために積極的に活用すべきだと筆者は考えています。
筆者が指導するポールウォーキングの生徒さんには、積極的に検査を受けていただいています。
まとめ
ファイブコグ検査は、認知症予防プログラムの開始前と終了後に実施することで、個人や集団としての認知機能の変化を知ることができます。
ウォーキングを継続し、その効果についてファイブコグを使って定期的(1年ごと)に検査することで自分自身の認知機能の変化を把握できます。
そうすることで打ち手としてのウォーキングのモチベーションを高めることができるのです。
ファイブコグ検査を受けてみたい方は、ぜひ筆者へご相談ください。
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