健康維持が目的なら無理をしない【目的別ウォーキングプログラムSTEP1】
ウォーキングをしてみようと思った人は、どうしてウォーキングをしてみようと思ったのでしょうか。
「歩くと気持ちいいから」
という人も、もちろんいると思います。
しかしウォーキング人気の背景には、『健康志向』があるようです。
結論:まずは歩く習慣を身につけるため、毎日10分でも必ず歩く
健康の維持が目的のウォーキング
シニアが健康の維持が目的でウォーキングをする場合や、怪我や故障で筋力の落ちている人、手術後のリハビリがしたい人などは、まずは歩く習慣を身につけましょう。
最初は気晴らし散歩で構いません。
気負って体幹を使おうと考えずに、1日10分のウォーキング習慣を身につけることに全精力を向けましょう。
トレーニングの原則は、身体に適度な刺激や疲労を与え、トレーニング前より強くなろうとする身体の変化を促すものです。
度をこすと疲労が蓄積して、疲れが取れなくなってしまいます。
無理をしないのが鉄則
ポイントはオーバーワークにならないようにすることです。
酷暑や雨などの気象条件の悪い日や、体調の悪い日などは、堂々と休みましょう。
また歩いているときに変調を感じたら、躊躇せずに引き返しましょう。
ウォーキングの効果は、すぐに目に見える形にはなりません。
最初のうちは気分がリフレッシュされ、前向きな気持ちになるくらいです(それだけでも大した効果ですが)。
「気づいたら身体が軽くなったような気がする」
そんなふうに感じるのは、最低でも1ヶ月はかかると思います。
体調の不良が改善し、健康を実感するまでには、3ヶ月程度はかかると思ってください。
まとめ
ウォーキングをするだけで健康問題が、全て解決するわけではありません。
ウォーキングを習慣化することに加えて、普段の生活リズムや食生活にも気を配ることによって、健康が維持されると考えるべきです。
ダイエットや生活習慣病の予防【目的別ウォーキングプログラムSTEP2】
生活習慣病の予備軍には、ダイエットが必要な人が多くいます。
『生活習慣病の予備軍=肥満=ダイエットが必要な人』というわけです。
『ダイエット=体重を落とす』と考えがちですが、『体重が落ちる=減量』はあくまで結果です。
それよりも基礎代謝が上がって太りにくい体質になり、減った体重を維持できる体質になることが重要です。
結論:生活習慣病の予防のためには、正しい歩き方で、最低でも1日30分間、毎日歩く必要がある
ダイエットのためのウォーキング
ウォーキングが『効果的な』ダイエットになる要素を、順番に示します。
- 正しくウォーキングをする
- 正しい食生活をする
- 筋力をつける
- つけた筋力で体脂肪を燃やす
- 体重が落ちる
となります。
ダイエットのためには、気晴らし散歩のスピードでは遅く、キビキビ歩くイメージが必要です。
例えるなら朝の出勤時に駅に向かうスピードで歩きましょう。
運動の強度としては、少し息が上がるけれども会話ができるくらいです。
会話ができないくらいの運動強度では、有酸素運動になっていません。
その場合にはペースを落として、インターバルを設け、息を整えましょう。
30分間はウォーキングを継続できる運動強度でなければ、ダイエットには向きません。
ウォーキングのような有酸素運動で、体内の脂肪が燃え始めるには20分程度かかると言われています。
なので30分間は、ウォーキングの継続が望ましいでしょう。
ダイエットに関しては、下記の記事が詳しいのでお勧めです。
生活習慣病予防のためのウォーキング
体脂肪、特に内臓脂肪を燃やしてメタボ体質を改善できれば、生活習慣病になるリスクは軽減されます。
食事を済ませてから、すぐに歩くのも効果があります。
例えば昼食後の昼休みに歩くとか、夕食後の時間にウォーキングしてから風呂に入り、就寝するとかです。
就寝直前に食事するのは避けたほうがいいと知識では知っていても、何もすることなくテレビを見ていると口寂しくなってしまいます。
間食するくらいなら歩いた方がいいですし、食事の後の血糖を歩くことで使ってしまうのが目的です。
実際、太る原因の一番目は、就寝中に体脂肪が蓄積されることです。
就寝前に運動負荷の大きいランニングなどはお勧めできませんが、ウォーキングなら最適です。
メタボな身体は時間をかけてできたものです。
その対策も時間がかかることを意識して、ゆっくり取り組んでください。
まとめ
今まで紹介してきた通り、ダイエットやメタボ対策のウォーキングは、これまで何も運動をしてこなかった人にとって相当な運動量になります。
ダイエットなり生活習慣病予防のため、効果的にウォーキングを実施するためには、運動量だけでなく食事にも気をつける必要があります。
食習慣の改善はウォーキングとは別の話になるので触れませんが、効果的に痩せたいのであれば、食習慣の改善が必要不可欠です。
食事に関しては、下記の記事を参照していただけると参考になります。
いずれにしてもダイエットや生活習慣病の予防のためには、覚悟と実行が必要だと認識して、気持ちも新たに取り組みましょう。
痛みやこりなどの解消【目的別ウォーキングプログラムSTEP3】
現代人には、肩こりや腰痛などの痛みを抱えている人が多数います。
肩こりや腰痛は、二足歩行を始めてた人間の宿命だとも言われています。
しかし肩こりや腰痛はともに、身体の血行が滞っているときに起こります。
その解消のためには、正しく歩くことが重要です。
全身の筋肉を使う正しいウォーキングで、血行を促進させるのです。
結論:複合的な要因で痛みやこりが発生しているときは、ウォーキングでは解決しない
膝痛
膝痛については、痛みの出る部位によって、原因や対処の仕方が違います。
主たる原因は太ももの筋力が弱いことなので、まず筋トレをすべきです。
仕事中、椅子から立ち上がる時に太ももの筋肉に力を入れるだけでも筋トレになりますので、ぜひ実践してください。
筋力がついてくるまでもウォーキングは実施すべきなので、痛みと相談しながら、肩甲骨を動かして全身を使うウォーキングを実践しましょう。
これは非常に重要なことですが、ウォーキングで痛みが出るレベルの膝痛であれば、すぐに医師に相談しましょう。
X脚やO脚
X脚やO脚が原因で、膝や股関節に違和感が出たり、場合によってはウォーキングの途中で歩けなくなる人もいます。
つま先が正面に向いていないのが原因の一つですから、まずはその点を確認してください。
つま先を正面に向けて歩き始めても、しばらく歩くうちに元の向きに戻ってしまう場合には、内転筋を鍛える筋トレが有効です。
内転筋を鍛える筋トレは、両手を内股で挟んで、両膝で両手を押し付ける方法が簡単です。
筋トレは簡単に成果が出るものではありません。
その点は理解して筋トレしましょう。
お昼休みには必ず筋トレするなど、習慣化が最も有効です。
ご自身の生活習慣に合わせて継続しましょう。
ちなみにX脚やO脚は、ウォーキングと筋トレでは改善されません。
ウォーキングで痛みの出るレベルであれば、必ず医師の診察とアドバイスを受けてください。
まとめ
普段していないトレーニングをした際の一時的な痛みは別として、一つの支障(障害)が原因で、こりや痛みが出ることは稀です。
身体の不調や、こりや痛みなどの原因は、その人の仕事や生活習慣、骨格や筋肉の状態、身体の使い方の癖などが絡み合っていることが多いです。
さまざまな原因が複合的に絡み合って引き起こされる場合、ウォーキングと筋トレだけで改善すると思わないほうがいいです。
もちろん筋トレとウォーキングは改善の一助にはなります。
しかし生兵法はケガのもと。
必ず医師の診察とアドバイスに従って実施してください。
体力をつける【目的別ウォーキングプログラムSTEP4】
ある程度ウォーキングを続けてきて、身体の動かし方も身についてくると、レベルアップしたウォーキングがしたくなってくるはずです。
負荷の上げ方としては、『一回に歩く時間を増やす』方法がお勧めです。
結論:ハイキングや山登り、ポールウォーキング、ランニングにチャレンジしよう
筋力と体力はイコールで考えよう
レベルアップの近道は、筋トレを実施することです。
単純に『筋力=体力』と考えてください。
ウォーキングをする中で筋肉を増強する方法は、ウォーキングの頻度を増やすのではなく、一回あたりの時間を増やす方が効果的です。
まずは1時間を目標にして、1時間をきっちり歩けるようになったら、2時間10キロを歩けるようになりましょう。
しかし歩く時間を増やせない人は、階段を上がることで補いましょう。
坂道もペースを落とさず歩けば効果的です。
同じ時間を歩くにしても、負荷を高めることで筋トレになります。
階段や坂道を登る場合、前傾を強めます。
その場合でも猫背にならないように正しい姿勢で登るよう、気をつけます。
また下りの場合には、仰け反った姿勢にならないよう、斜度に関わらず垂直に立つことをイメージしてください。
ハイキングや山登り、ポールウォーキングに挑戦する
ハイキングや山登り
時にはハイキングや山登りを取り入れましょう。
ハイキングや登山では、休憩を入れながら5時間から8時間、歩くことが普通にあります。
休みの日に一日中、ハイキングや登山に向かう時間が確保できない人は、ポールウォーキングかノルディックがお勧めです。
ポールウォーキングとノルディックウォーキング
ポールウォーキングはスポーツドクターが、安全に歩くための方法として考えだしました。
ポールウォーキングとノルディックの違いは、運動強度で分けるなら、ノルディックの方が強度強めです。
シニアが選ぶならポールウォーキング、運動選手が選ぶならノルディックウォーキングがいいでしょう。
ポールウォーキングはポールをもち、スイングしながらウォーキングするので、全身の筋肉の90パーセントを使います。
しかし効果的にポールを使うためには、ポールウォーキングのフォームを学ぶ必要がありますので、講習会や体験会に参加した方がいいです。
ノルディックは、ノルディックスキーの選手の夏季(雪のない時期)のトレーニングとして考え出されました。
運動強度の強いノルディックは、しっかりと講習会に参加すべきです。
ランニングを始める
ウォーキングとランニングは、ともに大ブームになっています。
ウォーキングとランニングの基本原理は一緒です。
ウォーキングで自信がついてきたら、ランニングに移行することも可能です。
マラソンを走ろうと思うなら、4時間ウォーキングが可能かを、自分の身体で確かめましょう。
4時間ウォーキングが可能なら、20キロを4時間で歩き切ることができるまでトレーニングをつみ、それからチャレンジすべきです。
急にチャレンジして、できなくても諦めないでください。
マラソンにチャレンジできるかは、3ヶ月トレーニングを積んでから判断しましょう。
【参考文献】
・金哲彦『確実に早くなる!体幹ランニング』講談社