筆者が務めていた有料老人ホームでの話です。
認知症予防・介護予防チームのプロジェクトリーダーとして筆者が導入したのがポールウォーキングです。
入居者の中には
「ポールウォーキングで5センチも背が伸びた」
と喜んでいらっしゃる方もいました。
ポールウォーキングには姿勢改善の効果があり、実施により姿勢が改善され、結果として背が伸びます。
ポールウォーキングの良いところは、メタボ対策はもちろん、フレイル対策にもなり、極めて高い認知症予防効果が期待されることです。
筆者は日本ポールウォーキング協会認定マスターコーチプロです。
今回はマスターコーチプロの立場から、その素晴らしさについて語ります。
結論1:ポールを使うことで上半身の筋肉も動員し、全身の筋肉の90パーセントを稼働する全身運動になる
結論2:歩幅が拡がることで、認知症予防効果が期待できる
ポールウォーキングって何?
- フレイル予防への効果:
- 足腰の負担を軽減し、転倒防止に役立つ
- 正しい姿勢を保つことで安全な運動ができる
- 3か月間の実践で脚筋力が約1.2倍にアップすることも報告されている
- メタボ対策への効果:
- 全身の筋肉の90%を使う運動で、通常のウォーキングよりも平均して約8~15%もエネルギー消費量が上がる
- 正しい姿勢を保ちながら歩くことで、ダイエット効果も期待できる
- 認知症予防への効果:
- 歩幅が広がり、認知症予防になる。
- ポールを持つだけで安心感が増し、不安感が軽減されるため、高齢者に特におすすめ
- その他の効果:
- 血液循環の改善や消化器官の増強、免疫機能の向上も期待できる
- 快感ホルモンの分泌を促し、精神的な緊張や抑うつを軽減し、前向きな感情を高める
専用ポールを持たなければいけない、両手にポールを持って歩けるスペースが必要、という点ではウォーキングより手軽さは劣ります。
しかし
「もっと全身を使って歩きたい」
「もっと効果的なウォーキングがしたい」
「認知症予防に効果的なウォーキングがしたい」
という方にはお勧めのウォーキングスタイルです。
ノルディックウォーキングとの違い
- 歩き方の違い:
- ポールウォーキング: ポールは踵の近くに置く「ディフェンシブスタイル」で足腰への負担を軽減し、正しい姿勢を保つ
- ノルディックウォーキング: ポールを体の後方に押し出しながら歩く「アグレッシブスタイル」で、速く歩ける
- 効果の違い:
- ポールウォーキング: 気軽に運動したい人や始めたばかりの人向けで、フレイル予防や認知症予防に効果あり
- ノルディックウォーキング: カロリー消費が高く、本格的なスポーツ志向
筆者のお勧めは、やはりポールウォーキングです。
「ポールウォーキングのマスターコーチプロだから、ポールウォーキングを勧めてるのね」
と思うかもしれませんが、違います。
忖度しないで執筆します。
今までノルディックウォーキングで鍛錬してきた方以外は、ポールウォーキングから始めた方がいいと思っています。
少なくともシニアは、転倒しないことが重要です。
シニアには、ノルディックより転倒予防に効果のあるポールウォーキングの方が向いています。
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