自分が働いていた有料老人ホームでは、定期的にファイブコグ検査を実施していました。
頭の人間ドックと考えて、定期的(1年に1回程度)に検査を受けることで、脳の状態を把握できます。
気になる点があれば、病院に行って医師の診察を受けるべきです。
イメージとしては、『人間ドックで気になる項目を、医師の診察の上で再検査する』ようなイメージです。
ファイブコグ検査は、『正常な脳の状態と認知症との間の状態である、軽度認知障害(MCI)の程度を測定する検査』です。
結論:定期的にファイブコグ検査を受けることで自分の脳の状態を知り、打ち手としてのウォーキングのモチベーションを維持できる
ファイブコグ検査とは?
ファイブコグ検査は、高齢者向けの集団認知機能検査であり、東京都健康長寿医療センター研究所と筑波大学によって開発されました。
この検査は、65歳以上の高齢者の認知機能を評価するために使用されます。
とはいえ、この検査で認知症がどうかを診断することはできません。
しかし、ご自身の認知レベルを確認することは可能です。
認知症予防のための今後の打ち手を考えていく、ひとつの材料を提供することはできると考えています。
認知機能の測定
ファイブコグ検査は
『運動機能(15秒間で数字を◯印で囲む課題で、手先の運動能力と認知課題の実行能力をチェックします)』と、
以下の5つの認知機能を測定します。
- 思考課題
例えばルビーとダイヤという単語から、宝石という上位の概念を抽出する課題です。検査は16問からなっています。軽度認知障害(MCI)の段階で低下しやすい機能です。 - 記憶課題
カテゴリーと一緒に32個の単語を覚え、カテゴリーをヒントにして単語を書き出す課題です。軽度認知障害の段階でエピソード記憶の機能が低下することを評価します。 - 注意分割課題
上中下の文字と文字が書かれた位置が一致するものに◯印を付け、同時に順番に数字を振っていく並行作業の課題です。注意の切り替えが必要な課題で、軽度認知障害(MCI)の段階で低下しやすい機能です。 - 視空間認知課題
時計の文字盤を描き、それに時刻を表すように針を書き込む課題です。視覚的構成機能の低下を評価します。 - 言語課題
2分間でできるだけ多くの単語を書き出す課題で、適切な言葉を引き出す機能を評価します。
ファイブコグ検査は1度に99名まで検査することが可能です。
DVDの映像を見ながら、脳トレ感覚で楽しく受けることができます。
認知症の予防と早期発見のために、その打ち手を考えるためにも積極的に活用すべきだと考えています。
まとめ
ファイブコグは、認知症予防プログラムの開始前と終了後に実施することで、個人や集団としての認知機能の変化を知ることができます。
ウォーキングを継続し、その効果についてファイブコグを使って定期的(1年ごと)に検査し、自身の認知機能の変化を把握できます。
そうすることで、打ち手としてのウォーキングのモチベーションを高めることもできます。
検査を受けてみたい方は、ぜひご相談ください。
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